水遊びは子どもの感覚を磨き、生きる力を与える
日経電子版 愛知教育大学教育学部創造科学系教授の竹井史より一部引用
子どもの「遊び」の中で、最初のベースになるものとして『感覚遊び』というのがあります。
目や耳、皮膚感覚など、五感を通して自然物と接していくなかで、様々な物事に対する認識を深めていきます。
そんな遊びのなかで、「水」は子どもの感覚を磨いてくれる“万能素材”なんです
子どもに“この世は生きるに値する”と感じさせることができます。
暑い時期、水に触れるだけでも心地良かったり、水温の変化を感じることもできます。
時には しずくが光に反射してキラキラ輝くのを見たりするだけでも、幼児期の子ども達はその“不思議さ”や“美しさ”と出会えるのだと、竹井さんは言います。
「水というのは自由に形を変えることができる、ものすごく自由度の高い素材なのが不思議で面白いところです。
また『これくらいの量の水をこれくらいのコップに入れると何人分になる』などの基本的な量の概念も、水遊びを通して学んでいきます」
子どもが1歳くらいになると、水道の流れる水を手のひらで受けてジーッと眺めたりするようになりますが、それは水という素材を、五感を使って理解するためにやっていることです。
それが、水を知るための“原体験”になっています。
五感を通した水遊びは、「楽しい」とか「面白い」「不思議だな」と感じることが何よりも大事です。
そのためには、まず、「暑いときの冷たい水は気持ちいいモノだ」と子どもに感じさせることが重要となります。
「なぜ、水の気持ちよさを幼児期に経験させてあげるのがいいのかというと、『水が気持ちいい』という感覚は、『この世は生きるに値する』ということにつながるからです。
お風呂に入って『気持ちいいなあ』と感じるのと同じく、気持ちいいという感覚そのものが生きる喜びでもあるし、遊んで楽しかったことが、次へのいろんな意欲へとつながっていきます。
そのため、小さいうちは、水にちょっと触れて戯れるだけでも、子どもにとっては素晴らしい体験になるんです。
気持ちいいと感じることこそが生きる喜びになって、その結果、生きるエネルギーにつながっていくということですね」
水遊びは子どもの感覚を磨き、生きる力を与える
日経電子版 愛知教育大学教育学部創造科学系教授の竹井史より一部引用